ボーッとしていると、 隣に誰かが座った。
顔を真っ赤にして ベロベロに酔っ払っている???だ。
「元気かぁぁぁ!?」
「ん?元気元気????酔い過ぎだし~」
「俺酔ってねぇって~なぁ~酔ってねぇか ら~」
「俺もい~れて~」 話に割り込んで来たのは???に負けないく
ら酔っている??ちゃん。
「どーぞどーぞ?」 座る場所を
ちょっと詰める。
「??さん元気っすか~?!?????と同じバイ トなんすよね~?」
??ちゃんに絡む???。
「お~同じバイト~。ってか~二人付き合 ってんのぉ?」
「美嘉と???が?まっさかぁ!!」
「俺達マブダチだもんなぁ~美嘉ちん~」 ??ちゃんの問いに
強く否定する二人。
「そーなんだ~!」 ベロベロに酔った二人から発するお酒の匂
いに耐えられなくなり 部屋を出た。
酔いが少し冷めた頃部屋へ戻ると、 みんなは潰れていた。
????と?????は手を繋いだまま壁に寄り掛 かったまま寝ていて、 ???と??ちゃんは床に倒れている。
机の上には数え切れないくらい大量の 酎ハイの空き缶。
潰れても仕方ない。
??は相変わらず優に質問攻めをしている様 子。
部屋のドアに寄り掛かりズキズキと痛む頭 をおさえた。
「美嘉ぁ~ちょっとごめ~ん?」 ??がトイレに行くため部屋から出て行った
その時…
「こんちわ~!」 一人の美嘉に声をかけたのは優だ。
「……こんにちわ!!」
突然声を掛けられたので声が裏返ってしま う。
「美嘉ちゃんって静かな子なん?」 痛む頭をおさえながら首をゆっくり横に振
った。
「そうなんや。あまり喋らへんから静かな 子なんかと思ったわぁ!俺のこと年上と思 わんで、気軽に話かけてな!」
ニコッと笑った優は 子供みたいで…
また胸が痛んだ。 なんでだろ…。
??が部屋に戻り、 優に質問攻めを続ける。
優と初めて会話して 感じた印象。
モテそうだし、 ちょっと軽そう…。
そんなことを考えながら眠りについた。 具合いが悪くて
目が覚めた。
6 人全員が寝てしまっている。
カバンから携帯を取り出し時間を見ると もう夜の 11 時半…。
行かなきゃ。 みんなを起こさないよう静かに起き上が
り、 コートを羽織った。
「あれ…帰んの?」 騒がしい音に目が覚めてしまったのか
寝ぼけた様子で口を開いたのは優だ。
「用事あるんで帰ります!!」 頭をぺこりと下げて立ち上がると
優は車の鍵をポケットから取り出した。
「こんな夜中に女の子が一人だと危ないや ん。車出すで?」
「ありがとう。でも大丈夫です!また!!」 優の気遣いを避けるように家を飛び出て、
歩いて学校のほうへと向かった。
途中コンビニに寄り 小さい花束とチョコレートを買う。
12 月 25 日 クリスマス
去年の今頃流産して 大切な大切な
一つの命を失った。
一年前
…まだヒロと付き合っていた頃
【毎年クリスマスの日にここに お参りに来ようね】
学校の近くにある公園の花壇に手を合わせ ながらそんな約束したっけ…。
ヒロは 覚えていないだろう。 いや、
例え覚えくれているとしても来ることはな いだろう。
今日は約束をした クリスマスの日。
【美嘉、また来年ここに来ような。】
【来年~?毎年だよ!!来年も再来年もずっ とずーっと
二人で来るの!!】
一年前に二人で交わした会話が 雪と共にはかなく溶けてゆく。
買ったばかりの花束とチョコレートを握り しめ
一年ぶりの公園へと向かった。
公園の前に着いた時には am0:30。
花壇へと足を運ぶ。 花壇を見た瞬間、
花束とチョコレートを落とした。
そこに置いてあったのは 雪のように真っ白な花。
赤いブーツに入った お菓子。
小さい ピンク色の手袋…。
ヒロ来てくれたんだ。 忘れてはいなかった。
覚えていてくれた。
去年のクリスマス、 指輪と一緒に黄色い手袋をくれたよね。
男の子か女の子かわからないから黄色にし たって言ってたね。
赤ちゃんにはめさせてあげたいねって。
女の子だから ピンク色の手袋なの…?
どうして。 どうして…? その場に
座り込んだ。
わからない ヒロの気持ちがわからないよ。
どんな気持ちで ここに来たの…?
花壇に置いてあったピンク色の手袋を きつく握りしめた。
花壇に花束とチョコレートを置き、 腰を降ろして手を合わせた。
赤ちゃん、 産んであげられなくて 本当にごめんね。
天国には 行けましたか…??
ヒロは別れても赤ちゃんのことを 忘れてはいなかった。
すごく嬉しかった。
赤ちゃんへの想いを伝え終えて立ち上がっ た時、
大粒の雪がちらちらと降り始めて空を見上 げた。
『お参りに来てくれてありがとう、 天国に行けたよ。』
赤ちゃんがそう伝えようとしてくれてる… そんな気がしたんだ。
冷たい頬に温かい涙がぽろぽろとこぼれ落 ちた。
公園を出て家に帰ろうと歩き始める。 ??????
後ろから鳴らされた 車のクラクション。
横に止まった白い車。 その車の運転席のスモークガラスが開い
た。
「やっと見つけた!」 窓から顔を覗かせたのは優だ。
「……なんでここにいるんですか?!」
「女の子一人だから心配やん」
「ずっと探してくれてたんですか…??」
「お~。家まで送ったるから横乗りぃ!」
“男はそう簡単に 信用しない。”
それが今の美嘉の モットー。
「…車には乗れません」
勇気を出して頭を下げながら断ると車のス モークガラスが閉まった。
…怒らせちゃったかもしれない。 そんな不安をよそに優は車のエンジンを切
り、 鍵を抜いて車から降りて来た。
「じゃあ俺も歩く!それなら嫌じゃないや ろ?」
一緒に歩き始める優。 予想外の行動。 予想外の展開。
「えっ……家遠いですよ??」
「大丈夫やって。最近運動不足やったしち ょうどええわ?」
今日初めて会ったばっかりなのに。 なんでこんなに優しくしてくれるんだろ う…。
「…優さんって~ホストなんですか??」 沈黙に耐えられず
質問を投げ掛ける。
「スーツ着とるのは大学の授業のためや で!美嘉ちゃんは?????と同じ学校なん?」
顔を覗き込んむ優。 泣いたばかりで腫れた目を見られないため 視線をそらした。
「…泣いたんか?」 バレた…
でも泣いたことは知られたくない。
「……泣いてないです」 優は何も言わずにポケットからハンカチを
出し、そこに雪を包んで腫れた目にあてて くれた。
「俺おせっかい焼きやからな。ウザいや ろ?」
そう言って 優は微笑む。
「そんな……嬉しいです!!」
優の笑顔につられて 一緒に微笑む。
優はそんな美嘉の顔を見て両手を上に伸ば した。
「あ~やっと笑ってくれたな。良かった良 かった~。美嘉ちゃんって俺の妹に似とる わ!」
「妹?妹って何歳??」
「5 歳やでぇ!」
「……5 歳って!!」
「俺の親、俺が 12 歳の時離婚しとる。せや から 5 歳までの妹しか知らへん!」
「そうなんだぁ……」
優の過去。 今日初めてあったのに、なぜか初めてって 感じがしない。
たわいない話をしているうちに 家の前に着いた。
「ここ家だから!!えっと~ありがとう!! じゃあ…」
「ちょっと待った!」 玄関のドアに手をかけた美嘉は
その声に振り返る。
「連絡先とか聞いたらあかん?」
「……いいですよ!!」 お互いの連絡先を交換。
「また遊ぼうな!」 美嘉の頭を軽くポンと叩き、
子供みたいに笑う優。
その時 気付いてしまった。
優って
……ヒロに似てる。
だから最初に優の顔を見た時 胸が痛かったんだ。
全体の雰囲気も話し方もしぐさも、 どことなく似ている。
冷えた体を温めるため 布団にくるまっていた時に届いた一通のメ
ール。
????????????
受信相手はさっき 連絡先を交換したばかりの優だ。
《優やで~わかるか?》
冷えて動きが鈍い指で 返信する。
《わかりますぅ。今日はいろいろありがと うございましたですっ!!》
返信してすぐ…
???????
電話の相手は これまた優だ。
『もしも~し』
『メールとか電話とか忙しくてごめんな!』 運転中なのか
声の向こうに側に音楽が聞こえる。
『大丈夫ですよぉ!!』
『それなら安心や。また遊ぼうな!暇な時 連絡したってや。ほなまた~』
電話を切り 一人で呟いた。
「………変な人!!」
男はすぐに信用しない。これが美嘉のモッ トー。…だったはずなのに。
一人でクリスマスを過ごしていたら、 ヒロを想ってずっと泣いていたかもしれな い。
去年のクリスマスのこと…思い出していた かもしれない。
でもみんなと一緒にいたおかげで 帰り道を一緒に歩いてくれて 何も考えずにいられた。
みんなに… そして優に感謝。
クリスマスが終わり 新年を迎えた。
━1 月 1 日元旦
《今日昼 3 時に駅前の神社に集合?遅刻厳 禁!》
???から届いたメールのせいで新年早々大 忙し。
メールに気付いたのは 待ち合わせ時間 1 時間前の 2 時…。
走って神社に向かったが結局到着したのは
3 時 15 分だった。
神社の前にはクリスマスパーティーをした メンバーが集っている。
「遅れたぁ!!マジでごめんっ……」
「罰ゲームだな~」 意地悪く言う?????の頭を????が叩く。
「?????だってさっき来たじゃん!」
「遅刻やぁ。でも女の子は用意大変やし仕 方ないよな!妹?」
優が発した【妹】の言葉に??が反応した。
「えっ、妹って何~?何~?」
「美嘉ちゃんは俺の妹やねん。な~?」 優がら首を曲げて美嘉に同意を求めてい
る。
「ねっ!!」 優のマネをして
首を曲げた。 ??に対するちょっとした意地悪…。
「とりあえず~お参りに行こうぜ!」 その場をまとめる???。 大勢の人が並ぶ最後列に並び順番を待つ。 しばらくして自分の番が来て
おさい銭を投げ入れガラガラと鳴らした
後、 手を合わ