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恋空 佚名 4695 字 3个月前

海にそんな人なんてたくさんいるのに。 あの人がいるはずないのにね。 バカみたい。

夕日が沈む瞬間を、 海から見るのが好きだった。

人がいなくなり波の音だけが静かに鳴り響 くなかでゆっくりと沈む夕日。

今日もまた楽しい一日が終わった!!

…と充実感を得ることができる。

夕日が沈む瞬間を見るために

夕方まで遊んだりした。

夏休みはほぼ毎日海で過ごしたため、 肌が焼け水着の跡がくっきりと残ってい る。

ヒリヒリとした肌の痛みがとれないまま 高校生活最後の夏休みは終わった。

━高校三年生 2 学期 九月後半

夏と秋の ちょうど真ん中あたり。

少しだけ 肌寒くなってきた風。

夏休みに日焼けした肌も次第にもとの色に 戻ってきた。

この日も学校で授業を終え、 ??と一緒に玄関を出たその時…

「あの白い車、優さんじゃない!?」 ??がおもむろに校門の前に止まっていた白

い車を指さす。

スモークガラス、 車体が低く音がうるさいのが特徴のあの 車。

多分…いや絶対に優だ。

白い車は二人に向かってクラクションを 二回鳴らす。

疑問は確かなものへと変わった。

「やっぱり?行こう!」 ??と美嘉がその車のほうへ走り寄ると、

助手席の窓が開いた。

「よ~遊ぼうぜ!」

窓から顔を覗かせる ??ちゃん。

それと同時に優が運転席から降り、 ポケットから出した煙草に火を着けた。

「制服初めて見たわ。お兄さん悪いことし てる気分やし!」

優は煙草をくわえたまま後ろのドアを開 け、 美嘉と??はそのまま車に乗り込んだ。

煙草の火を消し 車へと戻る優。

「いきなり来てビックリしたやろ?」 優からの問い掛けに興奮気味に答える美

嘉。

「超びっくりした!!」

「つーか何する?」

??ちゃんは cd を入れながら再生ボタンを 押す。

「??ちゃんか優さんの家に行きたい~?」 ??が助手席の椅子を両手で揺らした。

「俺んち実家だしな~」

??ちゃんは助けを求めて優の顔を見る。

「俺一人暮らしやし、来てええよ!」 意見は一致して、

優の家へ向かうことになった。

車がとまった場所は 茶色い九階建てのマンション。

大学生の一人暮らしって木造で虫が出そう なボロボロのアパートを想像していたの に…。

車を降りてエレベータに乗り部屋へと向か い、

到着したのは七階の部屋だ。

「勝手に入っとって。俺飲み物とか買うて 来るから!」

優はそう言い残し部屋を出て行った。

「おじゃましま~す!」 広いワンルーム。

七階なだけあって見晴らしの良い景色。 大きくて低いベッドに、テレビや md コン ポ。

コンクリートの壁にはギターが立て掛けて あり、洋楽の楽譜が貼ってあって床のとこ ろどころに服が散らばっている。

オシャレでいかにも

“年上の男の部屋”と言う感じだ。

「ね。優さんいないことだしアレ探さな い?アレ!」

いたずらっ子のような顔で呟く??。

「うん!!」

??の言葉を すぐに理解した。

??の言うアレとは…

“hな本やビデオ”

普通男の部屋には必ず一つはあるはずじゃ ん!!きっとあるよ。

ベッドの下や本棚などをくまなく探したが いっこうに見つかる気配はない。

「「無いぃ~…」」 二人が肩を落としながら残念そうにしてる

と、 ??ちゃんは笑いながら言った。

「あいつそーゆーのにあんまり興味ないか ら無いと思うぞ~」

ちょうどその時玄関のドアが開く音が聞こ え、 美嘉と??は何事もなかったように正座をす る。

両手にビニール袋を持つ優は何か怪しげな 雰囲気に気付いた様子。

「なんで正座しとんねん!もしかして俺の 悪口でも言っとったかぁ?」

美嘉と??は 顔を見合わせて微笑む。

「まっさかぁ!今優さんのこと誉めてたん で~す。ね、美嘉!」

「そうそう優さんていい男だよね~って言 ってたんだもーん????」

二人の行動を知ってる??ちゃんは笑ってい る。

「ほんまか?確実に嘘やろ!まぁえーか!」

「お酒買って来たんですか~?さっそく飲 みましょう?」

??が話を変えてお酒を手に取り、 一人一缶を持って乾杯をした。

??と優は飲む飲む。

もともとお酒が弱い美嘉はちびちびと飲ん だ。

こんな時、 お酒が弱い自分をほんの少し恨んでしま う。

??ちゃんも意外と弱いらしく、 飲み始めてからすぐに顔を真っ赤にしてい た。

四人のテンションが 最高潮になる。

「ってか~みんな未成年なのにお酒なんて 飲んだらいけないの~っ?」

ほろ酔い気味の美嘉。

「俺もう 20 歳らよ~!」 ??ちゃんはかなり酔っているみたいで、

ろれつが回っていない。

「あたしも~まだ~未成年~?」 お酒の強い??も、

6 缶も飲めば酔ってしまったみたいだ。

「俺やってもう二十歳になったで!」 優はまだまだ

余裕がある。

「ってかぁ~告白されるならどんなシチュ エーションがいい~!?」

??が??ちゃんの肩にもたれかかって聞い た。

「俺はぁ~呼び出しとかされたら嬉しいか もな~~優は~?」

「俺?俺はやっぱ直球がええな~!」 二人とも

意外とまじめな答え。

「じゃあ~美嘉は?!」 ??から突然話しをふられまさか自分に回っ

て来るとは思わず何も考えていなかった美 嘉は、 思いついたことを適当に言うことにした。

「んとね~プレゼントにたくさんのかすみ 草を貰った後、大きい声で叫んで告白され た~い!!」

かすみ草は大好きな花。 でも大きい声で叫んで告白されたいって…

それは言い過ぎたかなぁ。

そんな告白する人はなかなかいないよね。 言ってしまってから後悔…しかし後の祭り

だ。

「なんでかすみ草!?」 ??ちゃんの問いに美嘉は立ち上がって答え

る。

「だってかすみ草ってかわいいじゃんっ?

白くて小さく!!これっくらい欲しい~!!」

大袈裟に 両手で丸を作った。

「え~そんな告白する人なんて絶対ナルシ ストだよぉ!あたしはパス!」

両手でバツを作る??。

「男が花屋で花束買うってなかなか恥ずか しいもんやで。な???。」

??ちゃんに 同意を求める優。

「シャイな俺には到底無理だな~!」 予想通り

ブーイングの嵐だ。

でもいいんだ~。 思いついたことを適当に言っただけだも

ん。

しばらく飲み続け、 カクテルを一気飲みした瞬間に意識を無く した。

意識を無くすまで飲んだのは今日が初め て。

嫌な初体験…。

頭がくらくらして、 目の前は真っ白だ。

「う~ん………」

目が覚めた時、 窓の外はもう真っ暗だった。

状況がわからないままカバンの中から携帯 電話を取り出す。

時計を見ればもう pm11 時。

「……やばっ~」 一人ごとを呟きながら、かけられていた布

団をよけてガバッと起き上がった時に気付 いた。

見慣れない部屋。 あ…そう言えば優さんの部屋で四人で飲ん

でたんだ。

やっとのことで 状況を把握。

部屋の中には 誰一人いない。

「??~?優さん???ちゃん??」

…返答なし。 静まり返る部屋に玄関のドアが開く音が響

く。

「やっと起きたか~?」 優だ。

しかも一人。

「あれっ、??と??ちゃんは!?」

「あ~??ちゃんが具合悪かったみたいで、 ??が送って行ったで!」

…二人っきり?? でも友達だし。

そんなに意識することもないよね!!

一人で納得をし、 布団に潜り込んだ。

「プリン買って来たから食うか?美嘉プリ ン好きそうやし!」

「食う~っ?プリン大好きぃ!!」

布団から飛び出て、 優からプリンを受け取り夢中で食べる。

プリンを食べながらも 時間が気になる。

優はそれに気付いた。

「時間やばいんか?」

優の言葉に プリンを食べる手を止めて頷いた。

「俺が美嘉の親に電話したるか?」

「…どうにかする!!」

「俺んち泊まってもええからな!」 さりげない優の言葉に

心臓の鼓動は早まる。

今帰れば 怒られるのは確かだ。

今日は お父さんが休みの日。

お母さんは外泊を許可してくれるが、 お父さんは厳しい。

娘を心配する気持ちはよくわかるけど…。 怒られるのは気分がいいものではないか

ら。

携帯電話を取り出し、 無心のまま中学からの親友???に電話をか けた。

???????

『はいは~い?』 こんなに元気だと

言いにくい。

『久しぶりぃ~お願いがあるんだけど……』

『どうしたぁ?!』

『今日???の家に泊まることにしてもらっ ていいかなぁ…??』

『ん?!ok?そのかわり今度おごりね?美嘉 の家に電話しておくね~!』

『恩にきります!!』

???と美嘉の両親は 仲が良い。

だから???の家に泊まると言えば、 外泊許可してもらえた。

美嘉も???のことを信頼しているから、

だからこそ頼むことができるんだ。

「大丈夫やった?」

優は電話を切った美嘉の表情を 探るように見つめる。

「友達が家に電話してくれるってぇ?泊ま っていいの??」

「全然かまへんで!」

テーブルに寄り掛かり再びプリンを食べ始 めた。

待てよ…。 ??、

もしかしてわざと二人にしたんじゃない の??

??も????も???も?????も美嘉と優をくっつ けたがっているし…。

優はすごくやさしいし気が合うし大人だし お兄ちゃんみたい。

優も美嘉のことを 妹みたいにかわいがってくれている。

でも… もし優が美嘉の過去を知ったらひくよね。

それに 美嘉は今でもヒロが…。 ヒロのことが…。

「爆睡しとったな~」

優の声で考え込んで心ここにあらずだった 美嘉は意識を取り戻した。

「…まさか寝顔見てないでしょうねっ!?」

「バッチリ見たで~。ヨダレ流しとった!」

「ギャ~最低~!!」

「痛っ!冗談やって!」

立ちひざを立てながら頭をポカポカ叩く美 嘉の手を優がおさえ…

その瞬間、 目が合った二人の動きが止まった。

さっきまでとは違う空気の中で 時計の針の音だけが静かに響いている。

心臓の音が聞こえてしまいそうなくらいに 響き、その振動で体が小刻みに震えている。