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恋空 佚名 4708 字 4个月前

だって砂糖と塩間違えちゃったんだもん。 そんなのバレたら 料理下手なんだって思われちゃうよ…。

ケーキにのった生クリームを指先で取って おそるおそる舐めてみる。

やっぱり…まずい。 こんなの

ケーキじゃないよ!!

優は美嘉のマネをして、指先で生クリーム を取り舐めようとしている。

「だめだってばぁ!!」 バレそうになり焦った美嘉は、

生クリームがついた優の指を強引に自分の 口へと運んだ。

美嘉の顔を見て フフッと笑う優。

「ん…??なんで笑ってるのっ!?」 ちょっとムッとしながら聞くと、

優は笑顔のまま唇の横を指さした。

「唇の横に生クリームつけて…ほんまに子 供みたいやなぁ」

そして美嘉の唇の横についた生クリームを 舌でペロッと舐めた。

一瞬の出来事に顔が赤くなり熱くなってい るのがわかる。

バレないよう近くにあったクッションを手 に取り

顔をうずめた。 顔をうずめたクッションからは微かに優の

香り。

人間はそれぞれの香りを持っている。 お風呂の入浴剤や、

使っているシャンプー。

タバコを吸うか吸わないかによっても、 香りは変わってくる。

人間一人一人が 異なった香りを持っているのだ。

体が優の香りを 覚えてしまった。

香水の香りではない、 優の香りを…。

クッションからする優の香りに酔いしれ、 胸の鼓動が早さを増す。

優は すぐ近くにいるのに…

香りを感じるだけでこんなにも胸をときめ かせることが出来るんだ。

……初恋をした少女のような考え。

「顔隠さんで顔見せなさい!」 クッションを

奪おうとする優。

必死に抵抗する美嘉。

だって、 きっと今恋する乙女の顔になっているか ら…。

そんな顔見せられるわけないじゃん。

それでもクッションを奪おうとする優に、 足をバタバタさせながら抵抗を続けた。

「顔見せんとケーキ食うで~?」 体の動きは止まり、

……悩む。

真っ赤に染まった顔を見られるか、 失敗したケーキを 食べられてしまうか。

究極の選択。 仕方なく抵抗を諦め

クッションを手放した。

ケーキを食べられるよりは幾分マシかな。 顔をあげると

優はとてもやさしい顔で笑っていた。

……なんだぁ。

“恋する乙女” の顔をしていたのは美嘉だけじゃなかった んだ。

だって優もね、

“恋する男”の顔をしているんだもん。

本当は嬉しくて抱き付きたいのに… 素直になれず顔をプイッとそむけた。

美嘉の左手を じっと見つめる優。

…あっ。 そう言えばさっき包丁で左手の指切ったん だ!!

バレたかな??

左手をさりげなく後ろへと隠そうとしたが 優は強引に左手を掴み、 自分の顔の前へと持っていき再び見つめ た。

「これはぁ…さっきドアに挟まっちゃっ て~…」

下手な言い訳。 こんな言い訳に優が騙されるはずがない。

優は何も言わずに 指を見つめたまま。

沈黙が 余計心を不安にさせる。

その時、 指にとても温かくて柔らかい何かが触れ た。

…優の唇。

優は傷口に キスをしている。

ほっぺやおでこや唇。

付き合ってから 優は何度もキスをしてくれた。

けれど指先は…。 それに、

普段相手がキスをしてる顔なんてなかなか 見れないもの。

でも… 今目の前で優が美嘉の指先にキスをしてい る。

すごくすごく 大切な物を扱うように、

壊れ物を扱うように そっと優しくキスをしてくれている。

そんな光景と、 指先に触れる柔らかい唇の感触があまりに 刺激的すぎて

声さえ出せずにいた。

胸の鼓動が体に響き渡り その振動で時折ビクンと体が跳ね上がる。

優の姿を見つめながら、 胸の中に飛び付いてしまいたかった。

……そんな勇気はない。 本能のままに行動できればそれはそれでい

いのかもしれないけど、 そうしてしまって嫌われたらどうしようと いう不安もある。

それに今優に抱き付いてしまえば、 優も男なんだからそれなりの行為はきっと 起こるだろう。

優とならそうなってもいいと思ってはいた けど、いざとなったら少しためらってしま う。

優の大きな手の平は、 次第に美嘉の頬へと近づいて来る…。

温かい手が顔に触れ、 胸の鼓動はよりいっそう激しさを増した。

目は閉じているはずなのに… 顔が近付いてくるのがわかる。

優が右手の中指につけている指輪が頬にち ょうどよくあたり、

ほんのり冷たい。

二人の唇が重なるまであと約1㎝というと ころで キスをしないままゆっくりと顔が離れた。

なんで。 なんでしてくれなかったの…??

されると思っていたばかりに、 されないとなると無性にしたくなってしま う。

不安げな表情で 優を見上げた。

「じらし作戦やで!」 いたずらっ子のように

ペロッと舌を出す優。

「ぷぅー意地悪っ!!」 ほっぺを膨らませ

わざとらしく怒ったそぶりを見せた。

「だって俺ばっかりキスしとるから~美嘉 からしてくれるまで待つ!」

そう言って 唇をとがらす優。

美嘉は優の頭を軽く叩いてそっぽ向いた。

「じゃあ、一生しなくていいもんねぇ~ だ!!」

自分からキスするなんて そんな勇気ないもん。

勇気があれば… とっくにしてるよ。

しばらくスネたふりをしてそっぽを向いて いると後ろから物音がしないことに気付き 後ろを振り向いた。

優の姿はない。 怒っちゃったのかな??優があんなことく

らいで怒るはずないんだけど…

根拠のない自信を持ちながらも不安にな り、 ゆっくり立ち上がって部屋を一通り見回し た。

ベッドのあたりが不自然にボッコリしてい る。

………もしかして。 布団の中に隠れて、

美嘉を驚かそうとしているんだな。

反対に こっちが驚かせよう。

音をたてないようゆっくりベッドに近づ き、

激しく布団をまくりあげた。

「優~見っけぇ~!!」 布団の中に入っているのは枕や服。

その時、

洗面所のほうから 笑い声が…。

ハッと振り向くと、 優は洗面所に座り込みながら笑っている。

「あ~っ、騙したぁ!!最低!!」 その場に倒れ込み、

床をバンバン叩く美嘉。

「美嘉は素直やな。騙された~!」 優は笑いながら美嘉のもとへ近づき、

体を起こし上げる。

さっきのようにほっぺをプクッと膨らませ 怒ったそぶりを見せると

優は指で美嘉のほっぺを突きほっぺの空気 を抜いた。

「ほんまかわええな~意地悪してごめん な!」

頭をポンポンと叩き、 笑う優。

どんなに腹が立っても、どんなに意地悪さ れてもこの手で頭をポンポンとされたり撫 でられたりしたら、 怒りなんてすぐに消えてしまうんだ。

優の手を両手でぎゅっと握り、 部屋のライトにかざす。

「優の手って魔法の手だね!!怒った美嘉を 静めたり、涙を乾かしたりしてくれるもん ねぇ?」

「アホか!ほんまにかわいすぎやし!」

優は美嘉のおでこにデコピンをすると、 すぐにポケットから何かを探し始めた。

「探し物??」

優はポケットから小さい箱を取り出し、 美嘉の頭の上にその小さい箱を置いた。

「これたいしたものやないけど~プレゼン ト」

「え…だってプレゼント交換苦手だって言 ってたじゃん!?美嘉なんも買ってない よ??」

その瞬間 頭から箱が落ちる。

白い箱にピンクのかわいいリボン。

「俺だけなら交換て言わんやろ。美嘉はう まい料理作ってくれて俺からしたら最高の プレゼントやで!」

予想もしなかった出来事に呆然としている と、

優は照れくさそうに頭をかいた。

「はよ開けてみ!」 ピンクのリボンを取り

箱を開ける。

箱の真ん中に入っていたのは、 シルバーのハートの横にちっちゃいダイヤ モンドがついたネックレスだ。

「うわぁ~超カワイイしっ!!」

「つけたるから後ろ向きぃ!」 優は近くにあった輪ゴムで美嘉の髪をまと

箱から取り出したネックレスをつけてくれ た。

「似合うわ!鏡見てみ」 かばんから手鏡を取り出し自分を映す。

首もとでキラリと光るハートがすごくカワ イイ。

「優ありがとねっ!!」 力いっぱいお礼を言ったが優からの返答は

ない。

「あれ?優??ありがとね!!」

…やはり返答なし。

持っていた手鏡で後ろにいた優を映すと、 少し照れくさそうに下を向いている。

美嘉は勢いよく後ろを振り向き、 さっきイジメられた仕返しを始めた。

「……もしかして照れてるの~?!」

「うっさいわ!お礼言われるの苦手やね ん!」

「じゃあいっぱい言っちゃおう~っと?あ りがとうありがとうありがとう~!!」

その瞬間優が突然美嘉の頭の後ろに手を回 し、

自分の胸へと 引き寄せた。

優の表情は寂しげで… 低く通る声で 静かに話し始めた。

「俺はまだ指輪買ってやれる立場やないか ら…美嘉が元彼から貰った指輪を手放せる 日が来るまで待っとるからな。」

優の辛さを知りながらも今この場で指輪を 手放すことが出来ない自分が悔しくて情け ない。

ただ優の胸に埋まりながら頷くことしか 出来なかった。

温かい体温に包まれたまま時は過ぎてゆ く。

「もう 11 時過ぎか~時間経つの早いな」 雰囲気を戻そうと

明るい声で言う優。

携帯電話を開き 時間を見た。

……11 時 20 分 もうすぐ夜が明けて

クリスマス。

忘れるわけがない。 美嘉には

行かなければならない 場所がある。

「ごめん。ちょっと行かなきゃいけない場 所あるんだ…。すぐ帰って来るからちょっと 行ってもいい??」

「こんな時間にか?どこ行くん?」

「ごめん、ちょっと…」

優はそれ以上何も聞こうとはしなかった。

「俺車出したるわ!」

「大丈夫だよ!!」

「行く場所までは行かへんから。近くに車 とめておくし!」

「でも……」

「ええから!」 優の強引な説得には

勝てそうもない。

外に出ると 雪は降っていなかった。

さっきまで降っていたのか、 地面にはたくさんの雪が積もっている。

まだ誰も歩いていなくて足跡がない雪の上 を歩くのは、 なぜだか嬉しい気持ちになるものだ。

空気が澄んでいて、 景色が絵葉書のようにクッキリしている。

それぞれ家でパーティーをしているのか、 まわりは耳が痛いくらい静かで車の音さえ 聞