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恋空 佚名 4635 字 3个月前

揉まれて…

きっといつか学生時代を… 今この時を羨ましく思う日が来るのか な??

大人になって行くのが、怖いよ。 まだ何も知らない

子供でいたいのに…。

「ほなまたなぁ。卒業おめでとさん!」

「優ありがと!!また近いうち遊ぼうね っ!!」

いつもと変わらず、 優はクラクションを二回鳴らして去った。

家に帰り、 今日貰ったばかりの卒業アルバムをペラペ ラと

開いてみる。

あのページは… 今はまだ見ない。 見たくない。

四人の写真が載っている写真のページ… いつか笑って開ける日が来ますように。

最後のほうのページに書いてもらったみん なからのメッセージを読み返し

微笑ましい気持ちになりながら すやすやと深い眠りについた。

高校生活を

…卒業した。

明日からはしばらく 休みが続く。

…そして四月からは 念願の大学生。

これから新しい生活が 始まろうとしていた。

卒業… 人生のほんのひとかけら

この三年間は 絶対に忘れない。

忘れない。 忘れられないから。

こうして美嘉はまた新たなる一歩を 進み始めた。

長いようで短かった

第十五章 家族

毎日学校へ行っていた頃がまるで嘘のよう に、

夜中に寝て昼間に目覚める… そんなだらだらした生活を送っていた。

“慣れ”って凄いもので学校へ行っていた 頃は朝 6 時とかに起きるのが辛いわけでも なく、

それがごく普通の 生活だった。

だけど毎日が日曜日の今 だらだらした生活を続けてきてしまったた

めに、学校へ行っていた頃のような生活に は戻る自信がない。

四月からは大学生。 それまでには

生活を戻さなきゃ。

今日もいつものように、太陽が一番高い位 置まで昇ると言われている 昼間に目が覚めた。

顔を洗おうと洗面所に向かおうとした時、 居間から聞こえる

激しい怒鳴り声。

ドアの隙間から覗いてみると、 お父さんとお母さんが 何か言い合いをしている様子。

お父さんがソファーに座って腕を組み、 お母さんが立ち上がって何かを叫んでい る。

内容は聞こえない。

両親が喧嘩するなんて今まではあまりない ので、

めずらしい光景だ。

子供はあまり首を突っ込むべきではないと 考え、

気付かないフリをして 顔を洗い始めた。

しかし… それから喧嘩は 毎日毎日続いた。

居間に響き渡る悲鳴のようでもある怒鳴り 声。

皿やイスなどを 床に投げつける音。

しかめっつらで家から出て行くお父さん。 うずくまって涙を流す

お母さん。

喧嘩は しょうがないこと。

布団にくるまり cd を大音量でかけて 何も聞こえないように過ごす日々か続い た。

仲直りしてくれるまで、我慢我慢。 そう思って…。

ある日の朝、 いつもに増して激しい言い争いの声で 目が覚めた。

また喧嘩してる。 もういいかげんにして欲しいよ…。

聞いてる子供の気持ちも考えて欲しい。

お父さんが今日もまた 外に出て行った。

再び眠りにつこうとしたその時… ?????

部屋のドアが開く。 布団から出て、

ゆっくりと振り向いた。

「起きてるかい?」

…お母さんだ。

「今、起きたよ!!」 お母さんの目は

赤く腫れている。

また泣いたのかな…。

「美嘉に話あるんだけど大丈夫?」

「……うん」

肩を落としてその場に座るお母さんが

なんだかちっちゃく見える。

そしてお母さんの口から出る言葉を聞くの が、

なぜか怖くなった…。

静まり返る部屋に響き渡るエンジン音。

お父さんが車に乗ってどこかに行ってしま ったことを意味している。

お母さんはその音の方向に目線を向けなが ら

沈黙を破った。

「家出て行かなきゃならないかもしれない の。」

…家?出ていく?? 理解が出来ない。

頭が混乱する。

自分なりに答えを出そうと試みるが… やはり無理だ。 悪い答えしか出てこない

お母さんの言葉を待つ。

「お父さん会社やめるかもしれないの。だ からこの家のお金払えなくなっちゃうの よ。」

お父さんは何回か 仕事を変えている。

でも美嘉にとってそれが悪いことだとは少 しも

思わない。

自分がやりたい仕事を探すのに年齢は関係 ないと思うし、 人間関係がうまく行かなくて嫌になるのは 仕方のないこと。

お父さんは家の大黒柱だから、 女と違って結婚しても働かなきゃならない し…。

…大変だよね。 それはわかってるよ。

でも、 それでお母さんが悩む姿を何度も見てき た。

美嘉はまだ子供だから、大人の事情は わからない。

でもお母さんはずっと 悩んでいたんだ…。

「…いつ??」

お母さんから目をそらしカーテンから漏れ る光を見つめながら問う。

冷静ぶってる。 でも実はかなり 動揺している。

「まだいつかはわかんないけど近々ね…」

小学校の時から住んでたこの家。 離れるの嫌だよ。 でも嫌だなんて、

そんなわがまま言えないよね…。

今の美嘉は大きな収入があるわけでもな い。

どうすることも

出来ないから…。

だけど、 家が変わっても

家族が一緒なら大丈夫。

家族が一緒ならどんなことがあっても… 乗り越えて行けるよね。

長い独り言を頭の中で呟きながら、 カーテンの隙間の外から見える景色だけを じっと見つめていた。

お母さんは少し震えた…小声で再び話し始 めた。

「お父さんとお母さん、どっちについて行 くか考えておきなさい。」

そう言い残し… お母さん独特の心地よい香りを残して部屋 から出て行ってしまった。

…え?? それって

どうゆう意味??

みんなで同じ家に引っ越すんじゃないの? そうだよね?

違うの?? お父さん…。

お母さん…。

“離婚” こんな二文字が

頭をよぎる。

聞き慣れない言葉。

中学校に通ってる時までは必ず毎年家族で 夏はキャンプに、 冬は温泉旅行に行っていた。

「美嘉んちの家族って仲いいよね~!」 友達にもよく

そう言われた。

家の中は毎日毎日 笑い声が耐えることはなかった。

でも… ある日を境にお父さんとお母さんが突然口 を聞かなくなったんだ。

その時は気付かなかったけど、 今考えたら初めてお父さんが仕事をやめた 日だったな…。

それから家族で一緒にご飯を食べることも 減って

毎年行ってたキャンプや温泉旅行もいつの 間にかなくなっていた。

居間にお父さんとお母さんが二人でいると 気まずい雰囲気の時もあって、

どうにか盛り上げようとお姉ちゃんと一緒 にわざとバカ騒ぎして怒られたこともあっ たね…。

お姉ちゃんはバイトを始めてからなかなか 家に帰って来なくなり、

美嘉もわざと自分に目を向けてもらうため に遅い時間に帰ったりもした。

家族が昔と違ってバラバラになっているの はなんとなく気付いていたけど

まさか離婚まで進んでるなんて少しも思っ ていなかったよ…。

お母さんの雰囲気や言い方に“離婚”は近 いうちにある現実だと悟った。

しかしその現実を受け止めることが出来な い… とりあえず服を着替え軽くメイクをして家 を出た

向かう先は、 お姉ちゃんのバイト先。

お姉ちゃんはどこまで知ってるのか… そしてどう思ってるのかが知りたい。

バイト先であるコンビニに入る。

「いらっしゃいませ~。あ、美嘉!」

「お姉ちゃん、今ちょっと話せる…??」 お姉ちゃんは周りをキョロキョロと見渡

し、 小さい声で呟いた。

「あと二時間でバイト終わるから裏で待っ てて」

コンビニの裏に行き、 返品する本や賞味期限が切れたお弁当にか こまれながら近くにあったイスに座りぼー っとしていた

時間はどんどん過ぎてゆく。 ガタンッ

いきなりの物音に体が硬直。

「ごめんごめん今終わったから!着替える から外に行こう?????迎えに来るから!」

…バイトを終えたお姉ちゃん。

ちなみに????とはお姉ちゃんの彼氏の名 前。

詳しくは知らないけど

30 代前半らしく何回か家に遊びに来たこと もある

なんとなく笑顔がうさんくさい感じで、 あまり好きではなかった

家の… 家族の話だから

お姉ちゃんと二人でしたいのに。

タイミングを逃してしまい結局言えないま ま二人は外に出た。

コンビニの前には黒くて大きなワゴン車。 その横には????。

「妹も一緒なんだけど大丈夫?」 お姉ちゃんの問いに

????は頷く。

「妹さんよろしくね!」 嫌々ながらも軽く頭を下げ車に乗り込ん

だ。

「話って何?」 お姉ちゃんが助手席から振り返り美嘉に問

う。

????の存在を少し気にしつつも 答えるしかないこの状況

「お姉ちゃん家のことどこまで知って る…??」

お姉ちゃんから笑顔が消えた。

「全部…知ってる。家出ることも離婚するこ とも。美嘉も聞いた?」

「うん、今日の朝聞いたねぇ、どう思っ た…?家族バラバラなんて寂しいよね…?」

【寂しいよ】 この言葉を待っていた。だって家族が…ばら

ばらになるんだよ?? 寂しいよ。

お姉ちゃんの口から出た言葉によって 心の奥の傷はさらにえぐられた。

「しょうがないよ。決めたことなんだから… 私はお母さんについていくつもり。」

そんな…。

“しょうがない” お姉ちゃんはそれでいいの…??

うつむきながら無言を続けると運転してい た????がハンドルを握りながら口を開い た。

「お父さんとお母さんのこと好きでしょ? 大好きな二人が決めたことなら受け止める べきじゃないの?」

受け止める? なんで?

大好きだから だからこそ離れてほしくないんだよ。

「美嘉、もう少し大人になりなよ。」 お姉ちゃんは、

真っ直ぐ前を見ながら冷たく言い放った。

でもね、 見えてるんだよ。

頬に伝わり流れる涙…。 お姉ちゃんも本当は寂しいんだよね。 離婚はしょうがないことなの…?

「降ろして…」

車を降り、 全速力で走った。

人は辛い時… 走ることが一瞬なにもかも忘れることがで きる唯一の手段なのかもしれない

神様…あなたはどうしてこんなに苦しめる のですか。