分节阅读 67(1 / 1)

恋空 佚名 4594 字 3个月前

ままビクビクしながら生活するの嫌だ もん。

「優が来てくれて良かったぁ~疲れてたの にごめんね…」

「気にせんでえぇよ!」

「でもさ、美嘉が電話してから優がコンビ ニ来るの早かったよね!!」

一瞬沈黙になる。 優は咳ばらいをし、

口を開いた。

「怖がらせたらあかんと思て言わへんかっ たけど、美嘉と別れたあとな、美嘉のマン ションの近くに変な男がおって…なんか怪 しいな~思て一応マンションの近くに車止 めとったら美嘉から電話が来たんや」

体がぞくっとする。 身震い。

「変な男って…?」

「暗くてハッキリは見えへんかったけど、 なんか挙動不振やったから怪しかったで」

入浴剤や石鹸や弁当や使用済みコンドーム を部屋の前に置いて行く挙動不振な男。

あなたは誰ですか…?

人に恨まれることした覚えはないし…

ストーカーされるほどモテるわけでもない し…

優を信じて明日にかけるしかない!! キャンプの疲れからか

いつの間にか寝てしまったみたいだ。

寝不足だったせいもあるし…。

気付けば夕方 5 時。

一日の半分以上を睡眠で過ごしてしまっ た。

先に目覚めていた優は 美嘉の寝顔を写メールに撮り、 自慢げに見せてくれた。

半目だし口開いてるし… 今までこんな顔をして寝てたんだ。

大ショック!!

見なきゃ良かった。 でも優はかわいいって言ってくれるんだ?

外が暗くなり、

電気もテレビもつけずに二人でじっと部屋 に閉じこもる。

もし部屋にいるのがわかったら、

犯人が来なくなってしまうかもしれないか ら。

犯人が来たら優がドアを開けて捕獲する作 戦。

今日も来るとは限らないけど、

ここ二日間連続で来てるみたいだから今日 も来るような気がする…。

隣の人が外に出たり、

上の階の人が走るだけでビクッとしてしま う

音に敏感な二人。

外灯だけがカーテン越しにぼんやりと光る 真っ暗な部屋。

時間は夜の7時。 暗闇に二人でなんだかエッチなムード…

になるはずもなく、

ただひたすら誰かもわからない犯人が来る のを待っていた。

その時… ????????????

静寂する部屋に響く 大きな音。

郵便受けに何かをたくさん入れている… そんな音。

嫌がらせをしている犯人が玄関の向こうに いると思うと怖い。

体は昨日のようにガクガクと震え始める。

「大丈夫やから」

ぎゅっと握られた手で優がそばにいること を再確認し、

二人は玄関へと向かった

相変わらず止まない音。 優がドアの覗き穴を覗いている。

「ね…どうだった??」 小声で優に尋ねると、

優は首を横に振った。

優の知らない人なんだ…

「美嘉の知っとるやつか?」 心臓をドキドキさせ、

覗き穴を覗く。

その先に見えたのは…

…先生? 先生だ。

バイト先の歯科医師の先生!!

先生はニヤニヤと笑いながら、 ひたすら郵便受けに何かを入れている。

なんで住所知ってるの?

…履歴書だ。 履歴書に住所書いたもん

だから最初に面接した時 一人暮らしかを聞いてきたの?

実家じゃこんなこと出来ないもんね。

警察に捕まっちゃうもんね…。 三日間旅行に行くって連絡したから、

美嘉が三日間部屋にいないと思って嫌がら せしてたの??

その時思い出したのは 受付の林さんの意味深な言葉。

━「先生に気をつけてね。セクハラとか…そ れで辞めた子もたくさんいるからね」━

なるほどね…。

新しい一人暮らしの子がバイトにはいるた び、

こんなことしてるの??

なんのために? バカみたい。

「知り合いやった?」

「バイト先の医師…」

「ほんまに?俺捕まえたるわ」

ドアノブに手をかける優を、 そでを引っ張り止めた。

「…大丈夫。バイト辞めるから…」

優はその言葉を無視して手を振り払い、 ドアを開けた。

優が強くドアを閉めた拍子に郵便受けが開 く。

その中から出て来たのは大量の cd…。 しかも全部同じ曲。

それから後のことはよくわからない。 優がドアの外に捕まえに行って、

美嘉は家の中で大量の cd に囲まれながら うずくまって震えていたからだ。

ただ…

「俺の女怖がらせてただですむと思っとる んか?今度またここに来たら次は海に沈め たるわ」

こんな怒鳴り声だけがドアごしに響いてい た。

それからはバイトを辞め

優の脅しが効いたのか嫌がらせはパッタリ となくなった。

世の中には、 変な人もいるもんだ。

またアルバイト情報誌に募集出して、 同じこと繰り返すのかな??

そう考えると、 怖いね…。

バイトを辞めてしまったために、 家賃を払うお金がなくなってしまい 新しいバイトを探そうとした。 だけど…

「また美嘉になんかあったら心配やししば らくバイトせんで俺んちにいてええよ!」

優の言葉に甘えてしまい優の家で一緒に暮 らすことになった。

家賃は払えないけど生活するお金だけは多 少残っていたので、

そのお金が尽きるまではお世話になるつも り…。

家具家電などは全てリサイクルショップに 売り、最低限の荷物だけを持って優の家で 同棲生活を始める。

そのことを両親に報告しようと優と共に美 嘉の実家へ行ったが、 あっさり承諾を得ることが出来た。

優の人間性が、 きっとそうさせてくれたんだと思うよ…。

朝も昼も夜も毎日一緒。

洗面所には二本の歯ブラシがコップに入 り、

食器棚にはおそろいで色違いのコーヒーカ ップが並べて置いてある。

優の服や教科書で埋まっていた部屋も、

美嘉の服や好きなキャラクターのぬいぐる みで埋まってゆく。

二人で大学へ行き、

先に授業を終えて帰って来たほうが夕飯を 作り相手を待つ。

それが二人で決めた約束だ。

いつしか優の部屋は次第にサークルメンバ

ーのたまり場になり、

帰って来ると必ず誰かが部屋にいてゲーム をしたり雑談したりしていた

いつもは人がたまってわいわいうるさい部 屋も夜になれば二人きりになり

優の足の上にちょこんと乗りながらテレビ を見るのが大好きだった。

もう一つ、 布団に入って手を繋ぎながら眠る…

この瞬間も大好き。

たまに実家に帰って布団で寝ようとして も、

なかなか寝れなくなってしまって…

だって優と手を繋いで寝ることが、 美嘉にとって眠り薬になっていたから。

今年も夏が終わる。 秋は驚くほどあっという間に通り過ぎ、 今年もあの季節がやって来た。

白くて冷たい結晶がちらちらと空から舞い 落ち、

手で掴めばすぐに消えてしまう…。

12 月。

冬がやって来た。

「美嘉ぁぁぁこっちにかわいい小物あるよ ぉ~!!!!!!!!」

「マジで~!?今行くっ!!」

━12 月 19 日 今日は??と街に出て、

クリスマスプレゼントを買いに来た。

去年は優に料理を作ってあげたっけ…。

きっと今年も優はプレゼントはいらないか ら料理作ってって言うんだろうなぁ。

美嘉の胸元には、

去年のクリスマスに優からもらったネック レスが変わらずに光っている。

美嘉も何か形に残る物を優にプレゼントし てあげたい!!

そう思っていた時、

ちょうど今日の朝に??からメールが入った のだ。

受信:??

《美嘉っち今日暇ぁぁぁ !?!?街行かない っ????》

《いぃよん?ちょうどクリスマスプレゼン トも買いたかったし!!》

受信:??

《わ~いわ~い!!!!!ぢゃあ 4 時に駅前集合だ っちゃ???》

送信:??

《了解ーっ(636)//》

「ねー、ちょっと zippo 見に行ってもい い??」

「美嘉?? zippo 買うの??????いぃょぉ~行 こっ???」

プレゼントはもう決めていた。

zippo にするつもり。

優はタバコ吸うし、

zippo はタバコ吸う時に必ず使うからその 度に美嘉のことを思い出して欲しいし!!

ぶっちゃけ優がタバコ吸ってる姿、

男っぽくてめちゃめちゃかっこいいんだよ ね?

煙を吐き出す瞬間の横顔なんて、 それはもう彼女の美嘉でさえうっとり…

…って浸ってる場合じゃなくて!!

送信:??

とにかくプレゼントは決めていたから、 すぐに決めることが出来た。

優柔不断だから決めてなかったら一日中悩 んでいただろうな…。

黒くて中央に十字架がついた zippo。 これが1番優っぽい。 だからこれにする!!

日付と二人の名前を彫ってもらい、

クリスマスらしく赤と緑のチェックのラッ ピングに包んでもらい、 大切にかばんへとしまった。

「美嘉プレゼント買えて良かったねぇ ぇ !!!!!!??マフラー見に行っていいなりか ぁ???????」

「もちろんいいよん?」

二人は一回外へ出て、 マフラーを探すために歩き出した。

デパートに入り、 マフラーを探す。

??は緑色のマフラーを手に取り、 美嘉の首へとぐるぐる巻きつけた。

「美嘉っチ~このマフラー???似合う ぅ!!!!!!」

「美嘉に似合ってもしょうがないじゃん っ!!」

??は時間をたっぷりかけて悩みに悩んだ 末、

その緑色のマフラーを買った。

「??もプレゼント買えて良かったねっ?」

「良かっただっちゃ~!!!!!!美嘉もう少し時 間大丈夫なりかぁ~?????」

「全然大丈夫だよん。もうすぐ冬休みだし ね ? ??学校来ないから知らなかったし ょ??」

「知らなかったなりぃ!!!!ちょっと外で話さ ない~ !?!?コーヒーおごるからさぁぁぁ

???」

「ok!!」

大きな公園の中にあるベンチに乗った雪を 手ではらい、

そこに腰をかけた。

「ちょっと待っててって感じ~ぃ!!!!!」

??は自動販売機まで走って缶コーヒーを二 缶買い

そして戻ってこようとした途中に足を滑ら せて転んでしまった。

美嘉は??のもとへと駆け寄る。

「??!大丈夫!?怪我はない??」

??はむくっと起き上がり缶コーヒーを美嘉 に差し出し、

自分の頭を叩いた。