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恋空 佚名 4489 字 4个月前

箱の中にはもう一つ小さい箱が入ってい る。

その小さい箱をゆっくりゆっくり開ける と…

そこに入っていたのは、指輪だ。 シルバーで

“pledge“と彫られてある指輪…。

「…これ…」

優は箱から指輪を取り出し、 美嘉の左手薬指にするりとはめた。

左手の薬指でキラリと光る指輪。

この指に指輪をはめる感覚… 久しぶり。

「サイズわからへんから 7 号にしといたけ ど…ちょっと緩いけどええ感じやな!」

美嘉は指輪を そっと唇に近づけた。

「優、ありがと…」

優は後ろから抱きしめ、そして美嘉の左手 をツリーのライトにかざす…

「これからは俺の指輪つけてくれるんや な…?」

不安げな声でぽつりと呟く優。

一年も 待たせちゃったね…。

美嘉は強く強く頷いた。

この先 心を揺るがす出来事が何も起こらず

優とずっとこうして過ごしていけますよう に…。

指輪を見つめながら優に問う。

「“pledge”ってどーゆー意味??」 優は窓ガラスの曇った部分に大きく

“pledge”と書いて答えた。

「誓約とか誓いって意味やで」

「誓約…誓いかぁ」

「俺は何があっても美嘉のこと好きってい う誓いや!」

「優…」

「美嘉、好きやで。」

二人の唇は自然にそっと触れた。 お互いの気持ちが重なり合い

触れた唇がとても熱く感じた…。

?????????

メール受信音が、 雰囲気を壊す。

「ごめん、メール…」

「見てええよ!」

受信:??

《メリクリだっちゃぁぁぁ(eдe)/》

まだイブなのに気が早いなぁ… そう思い時計を見たら時間は 12 時 03 分。 日付は 12 月 25 日に変わっている。

今年も 行かなくちゃ。

時計をじっと見つめている美嘉を見て優は 言った

「車出したるで!」 どこに行くのかは聞いてこない。

それだけはわかってくれているんだね。

「ありがと…」

優がテーブルから車の鍵を取ろうとした 時、

テーブルに飾られていたかすみ草の花瓶が 音をたてて倒れた。

不吉な予感…。

部屋を出て 車が動き出す。

コンビニに寄り花とお菓子を買って 学校の駐車場に車を止めた。

懐かしい校舎。 でも今はそれどころじゃないんだ。

もう 12 時 25 分。

少し遅れて良かったのかもしれない。

だって去年のようにヒロとバッタリ会って しまうかもしれないから。

お参りに来るかわからないけど この時間ならきっと会うことはないよね…。

「行って来るねっ!!」

コンビニの袋を手に下げ車のドアに手をか けた時

優は美嘉の手首を強く掴み引き止めた。

ただクリスマスには 美嘉が必ずどこかへ出掛ける…

「…優??」

「行かなあかんの?」

「……え」

「どうしても行かなあかんのか?」

掴まれた手からは

優の不安な気持ちが痛いくらいに伝わって くる。

優がなんで不安になっているのかはわから ない。

今思えばこの時からこれから起こる何かを 感じていたのかもしれない…。

「行かない…」 お参りは、

明日の朝でも行ける。

今は優の不安な気持ちを取り除いてあげた いんだ

だから優が行って欲しくないなら、 行かないよ。

優は掴んだ手をパッと離し、

美嘉の頭をポンと叩きながらいつもの笑顔 を見せた。

「冗談やって!俺ここにおるから気ぃつけ てな」

もし優がこの時美嘉の手を離していなかっ たら、

この時優のそばを離れることはなかっただ ろう。

そしてこの先 胸を痛めることはなかったのに…。

優のいつもの笑顔に安心し、 ドアを開け外に出た。

「すぐ戻って来るからねっ!!」

車の窓ごしに手を振って公園へと向かっ た。

ベタ雪のせいか

歩くたびに足元がギュッギュッと鳴ってい る。

雪の結晶もいつもより大きく見える。 呼吸をするたびに口から出る白い息が

視界を邪魔する。

凍える手をポケットに入れて、 公園まで歩いた。

公園に入ろうとした時、花壇の近くに見え た黒い人影。

もしかして

……ヒロ??

違う。

あの後ろ姿は ヒロじゃない。

だってヒロは もっと背が高くて…。

じゃあ

……誰??

そーっと花壇に近付くと

花壇の前で手を合わせていたその人は足音 に気付いたのか

ゆっくりと振り向いた。

…?????? ????だ。

「?…?????なんでここに?!」 花壇には

白い花と赤いブーツに入ったお菓子が 供えられている。

????は一瞬驚きの表情を見せたが、

すぐに落ち着きを取り戻したみたいだっ た。

「美嘉久しぶりだな。元気だったか?」

「元気だけど…なんで????がここに…?」

その瞬間強い風が吹き、 美嘉の長い髪の毛が乱れて顔にかかり… 整えようと手で髪をとかした時、

左手の薬指ではさっき優から貰った指輪が 雪の結晶のごとく光り輝いた。

指輪に気付いた????は突然その場に腰を降 ろし

降り積もった雪を寒さで赤くなった手で かき集め始めた。

「…新しい恋してんなら聞かねぇほうがい いよ」

…聞かないほうがいい。 美嘉もそう思うよ。

聞かないほうが、

余計なことを悩んだり考えたりしないです む。

聞いてしまったら もう後には戻れない気がするから…。

だけど… だけどね…

聞いたらまた苦しくて悲しい想いをするか もしれない。

でも聞かないと一生後悔するような気がす るの。

遠い遠い頭の奥で、 誰かの声が聞こえた。

【…聞いてあげて…】 その声は

赤ちゃんですか。

それとも…。 あの人の心の声ですか。

「なんで????がここにいるの?教え て??」

????は、

作ったばかりの雪玉を遠くへ投げ飛ばし た。

割れる雪玉。

「聞いたら美嘉の人生変わるかもしれねー よ?」

浮かんだのは 優の笑顔。

聞かなかったら一生心の奥に引っ掛かって しまうかもしれない。

自分のためにも、 優のためにも…。

答えはとっくに 決まってる。

聞かなきゃ。

唾をゴクリと飲み、 ゆっくり頷いた。

????の話を聞き終えた時 足がガクガクと震え…

力が抜けて立っていることさえ出来ずに雪 の上に座り込んだ。

寒いはずなのに なぜか体中が熱くて…

頭や胸、手や足。

…体の全体がドクンドクンと脈打っている。

遠くで響く車のクラクションの音が まるで夢みたいに聞こえて…

大粒の結晶がほてった頬に落ち、 溶けた雫が背中に流れ落ちた。

冷たくてビクンと揺れる体で今の状況が現 実であることを

どうにか把握出来る。

頭の中では過去の映像がぐるぐると回って いて…

何回も何回も同じ映像ばかりが 頭の中を駆け巡る。

さっきコンビニで買った花とお菓子が入っ た袋を

汗をかくほど強く握っていた。

「俺携帯番号変わってねぇから何かあった ら連絡してこい。」

????は美嘉が持っていたコンビニの袋を取 り、

中に入っていた花とお菓子を花壇に置い て、

再び軽く手を合わせて去って行ってしまっ た。

????が話してくれた内容は

…こうだった。

今日は????が

ヒロの代わりとして赤ちゃんのお参りに来 た。

代わりに来た理由。

それはヒロがどうしてもここに来ることが 出来ない理由があったから。

あらかじめヒロが買っておいた白い花と赤 いブーツに入ったお菓子を持ってお参りに 来た。

ヒロは… 癌に侵されている。

今病院で治療を受けるために入院してい て…

お参りに来たかったんだけど、 退院許可が出なかったんだって。

事情を詳しく聞いた????が、 来れないヒロの代わりにここに来た。

高校二年の夏。 ヒロがちょうど変わってしまった時期…

体調が悪くて病院に行った時、 癌宣告をされた。

いつか自分はこの世から

美嘉の隣から いなくなってしまうかもしれないから…

寂しがりやの美嘉を 一人にさせることは出来ないって。

だから美嘉から 離れて行った。

これがヒロがいきなり 変わった理由。

突然別れを告げた理由。

それでも自分の存在を 忘れて欲しくなくて、

わざと美嘉の友達と付き合ったりして 美嘉の近くにいようとしてたんだって…。

去年のクリスマスにここで偶然会った時も

卒業式の日最後に話した時も 何かを言おうとして

くれてたよね。

もしかして… それを言いたかったの?

自分は病気だから… 癌だから…

嫌いになって別れたんじゃないよって。

そう言いたかったの…?

美嘉が寂しがりやだから

いつか自分はいなくなってしまうかもしれ ないから、

だからわざと離れて行ってたんだ。

何度も何度も言おうとしてくれていたの に、

ヒロの話を聞いてあげることが出来なかっ た。

自分を諦めさせるために別れる時ひどいこ とをたくさんさせて…

別れてもどこかで繋がっていたいと思って くれてたから 自分の存在を忘れないで欲しかったから…

????と付き合ったり してたんだね。

あの時の“バイバイ”は優しい言葉だった。 ヒロの精一杯の

愛だったんだ。

川原で背を向けて歩き出した時… 卒業式の日握手した手を離した時…

どれくらい辛かった?? 不安だった??

どうして今になって そんなこと…。

知らないほうが良かったのかな。 知って良かったのかな。

わかんない。 わかんないよ…。

一時間くらい 雪の上に座っていた。

花壇に置いた花やお菓子の上にはだんだん 雪が降り積もって見えなくなってゆく。

「…美嘉!」

なかなか帰って来ない美嘉を心配して探し てくれていたのか、 鼻を真っ赤にして走って来る優。

「何しとるん?心配したやろ!あ~耳こん