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恋空 佚名 4639 字 3个月前

がかかって来た。

?プルルルルル?

着信:???

『もしもし…』

『もしもし美嘉か?』

『そーだよ!!』

『マジごめんな。俺何も知らなくて…』

『いや、こっちこそごめん!!』

電話なのに 頭を下げてしまっている

『俺が悪い。マジごめんな。そう言えば美 嘉はキャンプ行くのか?』

心の中で、 行けるはずないだろ!!と叫んでいる自分。

冷静に冷静に…。

男って女ほど昔付き合ってた人の存在とか を気にしないのかもしれない。

『い…行かないっ!!』 力いっぱい否定する。

今はこれが精一杯。

『そっか。俺も行かないんだけどな。』

???も行かないんだ… そう思うと少しだけホッとした。

『そっかぁ。』

力なく返事をすると???は少し寂しげな口 調で言った。

『最近みんなで集まったりしてねーよな。 なんかうまく言えないけど…なんかな…』

???が言いたいことはわかる。

???もみんながバラバラになっていること を気付いていたんだね。

…沈黙。

美嘉は部屋の隅に追いやられた卒業アルバ ムに目をやった。

後で久しぶりに見てみようかなぁ。

『またみんなで遊んだり飯食ったりしよう な!』

受話器の向こうから突然聞こえた???の声 にハッと意識を取り戻し、

答えた。

『そうだねっ!!』

『じゃあ、またな!』 電話を切った後

慣れたはずの静寂がとてつもなく寂しく感 じた。

??と喧嘩したこと、

??にビンタされて美嘉もビンタをやり返し てしまったこと…

あの日を思い出すと 落ち込むばかり。

美嘉から電話とかメールをして謝るべきな んだろうけど…

ヒロのことを悪く言ったこと、

実はまだ引きずったりもしているんだ。 本当執念深いよね。

「…はぁぁぁあ~」

わざと声が出るくらい大きなため息をつ き、

バイトへ行くための準備を始めた。

今日はチラシ配りのバイト。 この暑さの中チラシ配りは辛いなぁ~…

でも今日のバイトはいつもより早めに終わ るから嬉しい??

それに今日は病院にお見舞いに行く前に買 いたい物があるんだぁ。

だからさっさとバイト終わらせないとっ!!

適当にメイクをし、

白いノースリーブにジーンズ生地のミニス カートをはいて家を出た。

直射日光が当たり頭がじりじりする。

なるべく日影に身を隠し歩く人の群れにひ たすらチラシを配り続ける。

最後の一枚を配り終えた時… やったぁ

終わったぁ~!!

心で万歳をしながら首の骨をポキッと鳴ら し、

今日の朝落ち込んでいたのがまるで嘘のよ うにうきうきした気分で帰り支度を始めた

向かった場所は、 いつも行っているコンビニだ。

そして買いたい物とは… カメラ!!

…と言ってもインスタントカメラなんだけ どね。

高校時代にヒロと撮った写真は別れてから 全て捨ててしまったので、 もう一度ヒロとの写真が欲しかったから。

27 枚撮りのインスタントカメラを購入し、 ついでに何か食べる物を買おうとお菓子の コーナーをうろうろしてた時…

“新商品” と大きく書かれた文字に目を奪われ、

その新商品のお菓子を手に取った。

「…みかんキャラメル」 思わず言葉に出してしまい、

一人で笑ってしまった。

みかんキャラメルって…おいしいの?? なんかオレンジ色だし~!!

冗談半分な気持ちもあったし、

どんな味なのか興味もあったのでインスタ ントカメラとみかんキャラメルを持ってレ ジに並ぶ。

コンビニを出て、 いつもより軽い足取りで病院へ向かった。

「失礼しま~す?」

「おぅ。」

ノックをしないでドアを開けてしまった が、

ヒロももう慣れてしまったみたいだ。

「ヒロっち元気~??」

「おぅ。…って昨日も会ったじゃん!」

インスタントカメラを取り出そうと袋に手 を入れた時に、

ふと考えた。

ヒロ、 写真撮るの嫌じゃないかな??

自分が病気の姿なんて撮られたくないか も…。

取り出す前に気付いて良かった良かった。 一度掴んだインスタントカメラから手を離

し、 代わりにみかんキャラメルを取り出す。

「ねーねーこれ見て~?新商品だから買っ て来ちゃった~?」

みかんキャラメルのほうに注目させ、

インスタントカメラの入った袋をヒロから 見えないベッドの下にさりげなく置いた。

「みかんキャラメル~?これうまいの?」 ヒロはみかんキャラメルを見ながら、

不思議そうな顔をしている。

「さぁわかんないなぁ~!!食べてみてぇ~

?」

箱を開けキャラメルを一粒取り出しヒロの 手の平に置くと、 ヒロはキャラメルを握りしめて微笑んだ。

「このキャラメル食ってまずくて俺が死ん だら美嘉のせいだからな!」

“死” 冗談でも聞きたくなかった響き。

ふざけてでも言ってほしくなかった言葉に 肩を落としため息をついた。

ヒロが“死”を口にした瞬間、 病室の空気は変わった。

うまく表現出来ないけど空気が凍りついて いる…そんな感じ。

ヒロにとって“死”は、遠いようで近い。 ヒロは生きるとわかっていながらも

いざ“死”を意識すると怖くなったりもす るんだ

ヒロはこの微妙な空気が自分の発言のせい だと気付いたのか、

雰囲気を変えようとするかのように口を開 いた。

「じゃあ~食うかな!」

「どう?うまい?」

美嘉もヒロと会っている間は楽しく過ごし たいからなるべく考えないようにしようと 思い、

近くにあった椅子に腰をかけ笑って返事を した。

「うん、食べて食べて~??」

「でもやっぱり美嘉が毒味してくれねーと な。」

そう言いながらキャラメルを自分の口に入 れる。

美嘉に毒味させると言いながら自分の口に 入れてしまうという矛盾に少し疑問を感じ ていると…

ヒロが美嘉の頭の後ろに手を回し、 自分のほうへと引き寄せた。

二人の唇が近づきキスをされるのかと思っ て目を閉じると、 口の中に何か物体が入って来た。

甘い味が広がる。

その物体をゆっくり噛むとやわらかい感 触…。

この味はもしかして… みかんキャラメル??

パッと目を開けると、

ヒロがいじめっ子のような顔で笑ってい る。

「あ~!!美嘉に毒味させたでしょぉ~!?」

改めてキャラメルを噛み味を確認。

「…意外とうまい!!」

みかんキャラメルと聞いて絶対微妙な味だ と思っていたが、

キャラメルの甘さとみかんの酸っぱさがマ ッチしていてなかなかの味わいだ。

「マジかよ?俺にも食わせて!」 ヒロはキャラメルをもう一粒開け、

美嘉の唇に挟んだ。

美嘉はキャラメルを唇に挟んだまま、 ヒロの唇へと運ぶ。

キャラメルが口の中に運ばれた時、 二人の唇はそっと重なり合った。

いつもしてるキスとは違って、 シチュエーションにドキドキしてしまう。

唇は長い時間何度も何度も触れ合い、

絡み合う舌はみかんキャラメルの味で甘く 溶けそうだった。

ガサッ…

ベッドの下に置いたインスタントカメラの 入った袋を蹴ってしまった音をきっかけ に、

二人の唇は離れる。

「…みかんキャラメルおいしかった??」

沈黙になると照れくさいので、 すかさず言葉を発した。

「かなりうまい!俺普通のキャラメルより 好きかもしんねぇ」

ヒロはキャラメルの箱を握って嬉しそうに ニコニコしている。

どうやらみかんキャラメルを気に入ってし まったみたいだ。

「じゃあまた買ってくるねぇ?そしてまた 食べさせてあげるぅ!!」

「おー、ありがとな。俺も美嘉に食わせて やっから!食いたくなったら言えよ」

ヒロはキャラメルの箱をじっと見つめ、 そして何かを発見したような顔をした。

「今思ったんだけど、美嘉とみかんって響 き似てねぇ?!」

突然の発言に 吹き出す美嘉。

「確かに似てるけど~!!何いきなり~!」 キャラメルの箱をカラカラと振るヒロ。

「このキャラメル食うたび美嘉から元気も らえる気がするわ。何たって美嘉とみかん だからな!」

冗談だか本気だかわからないヒロの発言 に、

病室では笑い声が響いていた。

この時、

子供みたいに笑うヒロがとても愛しく感じ たのを今でも覚えている。

突然ヒロがベッドの横にある棚に置いてあ った自分の携帯電話を手に取った。

「何してるの~??」

ヒロは何も答えずカチカチと携帯電話をい じっている。

「ヒ~ロ君~?」

わざと子供をたしなめるような言い方で話 し掛けると、 ヒロは美嘉に携帯電話を向けた。

パシャッ

「美嘉の顔撮ったぜ~」 ようやく状況を理解することが出来た。

「あ~!!写メール撮ったでしょ!?」

ヒロの携帯電話を無理矢理奪おうとする が、

ヒロはそれを離そうとしない。

「も~。ちゃんと消してね!!」

「普通のカメラとかあったら良かったんだ けどなー。そしたら美嘉と二人で撮れんの に!」

さっきコンビニで買ったインスタントカメ ラを思い出した。

ヒロは写真を撮るのが嫌かもしれないと思 って隠したけど、 ヒロも撮りたいと思ってくれてたんだ…。

すかさずベッドの下からインスタントカメ ラを取り出して、 ヒロに向かって自慢げに差し出す。

「実はカメラあるので~す?」 ヒロは驚いたような顔をしたけど、

その顔に少し違和感を感じた。

「すげぇ、カメラまであんの?やるな!」

ヒロの言葉が大袈裟で、わざとらしく聞こ える。

もしかして美嘉がカメラ買ったのに気付い て、

わざと言ってるんじゃないの…??

一つの不安が生まれた。 見えないようにベッドの下に隠したけど、

その前に美嘉がカメラを取り出そうと迷っ ていた時に気付いたとしても不思議ではな い。

もしその不安が当たっていたら…

「じゃあ今度撮ろうっ」 一度差し出したカメラを再び袋にしまう。

右手を差し出すヒロ。

「…何??」

「そのカメラ俺が預かったらダメか?」

「でも…」

「いいだろ?」

迫力に負けてしまい、 おずおずとカメラを手渡した。

ヒロはそのカメラを受け取ったと同時に美 嘉のほうへ向けてシャッターを押し、 その瞬間フラッシュが光った。