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恋空 佚名 4598 字 3个月前

「あ~ちょっと!!また撮ったでしょ!?」

「うるせ~。撮ってねぇし!」

「嘘つきぃ!!」

ヒロはそのカメラを大切そうに枕の横に置 いた。

27 枚撮りのカメラ。 残りは 26 枚…。

長いはずの夏もあっという間に過ぎ、 焼き芋の季節。

あー今年は夏なのに肌が白いままだ。

日焼けでひりひりしないのなんて久しぶ り。

━秋

物悲しい季節。 パラパラと舞う

落ち葉…

ベンチに座って 読書をする人。

でもやっぱり焼き芋に 栗にサンマに~…

まぁ、 なんだかんだで食欲の秋だったりして!!

だって秋の食べ物って おいしいんだも~ん?

来年の今頃は ヒロと一緒に焼き芋焼いてるといいなぁ。

でもあんまり食べすぎるとさらに太っちゃ って嫌われちゃうかもしれないから、 ほどほどにしなきゃ。

…っとまぁこんな感じで特に大きな事件も なく

秋も過ぎていった。

平和が1番!!

秋が終わると雪がちらちらと降り、 冬が近づいて来た。

ヒロと 四年振りに過ごす冬。

この季節に 何度心を痛めたことだろう。

今でもまだ 痛む時はあるけど。

冬… きっと永遠に、

何かを思い出す季節。

学校とバイトには 相変わらず行っている。

最近どこにも遊びに行ってないなぁ。

???や?????とは 学校で話したりもするけど…。

??の新しい彼氏はどうやら同じ大学の人み たいで

学食でイチャついてる姿をたまに見かけ る。

ヒロはと言えば… みかんキャラメルを買った日以来、

お見舞いに行くたびにみかんキャラメルを 買って行った。

そのたびにヒロは元気が出ると言って嬉し そうに食べてくれたんだ。

そんなヒロの笑顔を見ると美嘉も嬉しくな っちゃって…

ベッドの横の棚には

みかんキャラメルの空き箱が大量に積み重 なっている。

みかんキャラメルが効いたのかはわからな いけど

ヒロの体はどんどん元気になっていった。

もう退院してもいいんじゃないかってくら い…。

きっと来年あたりには

退院も夢じゃない。

検査は辛いはずなのに、ヒロは絶対弱音を 吐いたりはしなかった。

「俺強いから!」

ヒロの口癖。 うん

ヒロは強いよ。

喧嘩負けたことないもんね。

なんたって大変な病気と一生懸命闘ってる んだもん。

美嘉だったら 絶対弱音吐いてると思う

強いから… ヒロは強いからね。

━12 月 24 日

今日は クリスマスイブ。

またヒロとクリスマスイブを過ごせる日が 来るなんて

思ってなかったよ。

今日は運よくバイトが休みなので 昼頃に目を覚ました。

大学はすでに冬休み。 思ったんだけど、

大学って勉強する時間より休みのほうが長 くない??

気のせいかな。

昨日髪が濡れたまま寝てしまったために ひどい寝癖。

鏡を見なくても 手触りでそのひどさがわかるくらいだ。

「おはよぉ~」 のそっと居間に顔を出す

「もうお昼よ。本当にぐーたらして」

呆れ顔のお母さんを見てお姉ちゃんが笑 う。

「美嘉寝癖すご~いよ!アフロみたいにな ってる!お父さん見て~」

ソファーに座って新聞を読んでいたお父さ んが、新聞をずらして美嘉の頭をちらっと 見た。

「今どきっぽくていいんじゃないか。」

一時バラバラになりかけた家族の姿は もうどこにも無い。

今あるのは 仲良しで温かい家族の姿

そう、 昔のように。

に、

平日ではなく特別な日だと思うと一分一秒 がもったいなく思えたりもするのだ。

「うるさ~い!!」

美嘉は乱暴に椅子に座り

テーブルの上に置かれた目玉焼きにフォー クを突き刺した。

「今日もヒロ君の所に行くのかい?」

お母さんの問いに 元気に答える美嘉。

「もっちろ~ん!!」

家族はヒロが癌だってことを知ってる。 みんな、

そばにいてあげなさいって言ってくれた。

目玉焼きを無理矢理口に押し込み、 牛乳で流し込んだ。

「ごっちそうさまでしたぁ~??」 洗面所に直行し、

髪を水で濡らしてみたが頑固な寝癖はなか なか直らない。

仕方なくワックスを手につけ クシャクシャと髪をセットした。

走って階段を駆け上がり部屋に戻る。

別に時間に追われているわけではないの

鏡と向かい合ってメイクをする。 勝負の時だ。

メイクが上手くいくかいかないかによって その日一日の気分が変わるから

今日の勝負は勝利。 そして第二の勝負は服選び。

1 週間前にバイト代で買った服に着替える。

値札をパチンと切り、 まだシワの無い白のニットに袖を通した。

黒と白チェックの膝より少し短いスカート をはき黒いコートを羽織りえりを立てたら 完璧?

第二の勝負も 勝利だ。

お気に入りの甘い香水をシュッとふりか け、

「行って来まぁ~す?」 茶色いロングブーツを履き家を出た。

なぜこんなにオシャレしてるのかと言う と…

まぁ、 あまり意味はない。

いつもバイト終わって髪もボサボサだしメ イクも取れかけたままお見舞いに行ったり してたから、 たまにはかわいい姿で会いに行きたい。

街に出て、 携帯電話ショップに入った。

「この黒い携帯電話契約したいんですけ ど…」

もちろん自分で使うために契約するわけで はない

美嘉はお気に入りの

ピンク色で最新機種の携帯電話を持ってい るからね??

じゃあ誰に買うって? それは夜になれば

わかる話…。

「身分証明できる物とハンコはあります か?」

「あります。」

「では契約書に記入お願いします。」

20 歳になったから親の承諾がなくても契約 出来るから便利だ。

…美嘉ももう 20 歳か…。 時間が過ぎるのは早いなぁ。

契約書に記入を終える。

「少々お待ち下さい」

そう言われしばらく待っていると、

綺麗なお姉さんが黒い携帯電話を差し出し た。

「大変お待たせいたしました」

「こちらでよろしいですね?」

「はい!!」

買ったばかりの携帯電話を持って店を出 る。

買った携帯電話は最新機種ってほど新しく はないけど、

ムービーを撮ったりテレビ電話をしたり出 来る機能がある。

ラッピングを買い、 携帯電話を綺麗に包んだ

もう夕方の 5 時。 夏ならまだ明るいが、

冬なので真っ暗。

ケーキ屋さんでショートケーキを二つ買 い、

コンビニでみかんキャラメルを買って病院 へ向かった。

クリスマスケーキは昨日の夜作ったんだけ ど…

失敗しちゃったんだ。

今回はケーキ屋さんのケーキで 我慢してもらおう。

「失礼しま~す」

いつものようにノックをしないでドアを開 けると

そこにはヒロのお母さんの姿が…。

「あら、美嘉ちゃん来てくれたの!」

ノックをしなかったことに今さら後悔す る。

「す…すみません!!」 ドアを閉めようとする美嘉に

大声で叫ぶヒロのお母さん。

「あら、いいのよ!」 閉めかけたドアを再びゆっくり開くと、

ヒロのお母さんは上着を羽織りながら微笑 んだ。

「おばさんもちょうど帰ろうと思ってたと こだからあとはよろしくね!」

ヒロのお母さんは そう言って帰ってしまった。

病室は二人きり。

「メリクリ~っ!!」

「まだクリスマスじゃね~し!」

「そう言えばみかんキャラメル買って来た よ?」

「お~サンキュ」

箱からキャラメルを一粒取り出して唇に挟 み、

ヒロの唇へと運ぶ。

なぜかこのキャラメルを食べる時は、

お互い唇に運び合うことが当たり前になっ ていた

「あ~ケーキも買って来たぁ!!」

ケーキの箱を取り出しベッドの上に置く と、

ヒロはキャラメルを噛みながら言った。

「ありがとな。でも俺キャラメル食ってる から後で貰うわ!美嘉先に食っていいよ!」

「わーい??」 ケーキを取り出し、

箱に入っていたフォークでケーキを頬張っ た。

その姿を見てヒロが笑う

「子供みてぇ…」

美嘉はケーキを食べる手を止め、 ヒロを睨みつけた。

「もうハタチだも~ん。ってかヒロより誕 生日早いからヒロより大人だし!!」

「はいはい、そーっすね~美嘉は大人です。 俺が悪かった!」

ムキになって反論する美嘉に対して、 イヤミっぽく言い放つヒロ。

余裕の表情を浮かべている。

ケーキを食べ終え満足したところで

かばんからプレゼントを取り出しヒロに手 渡した

「はい、プレゼント?」 プレゼントを受け取りつつも焦るヒロ。

「俺なんも買ってねぇよ!?」

「ヒロは元気でいてくれたらいーのっ!!」

「退院したらぜってぇお礼すっから。マジ でありがとな!」

プレゼントを開けようとするヒロの手を止 める。

不思議そうな顔をするヒロの目を じっと見つめた。

「プレゼントは 12 時になったら開けて っ!!」

何かを考え込むヒロ。

「…わかった!」 何か結論が出たのか、

期待に満ち溢れた顔でそう答えた。

「じゃあそろそろ帰ろっかな!!」 椅子から立ち上がると

ヒロは美嘉の指先を掴んで引き止めた。

「お参り…俺行けねぇけどごめんな。」

笑顔が隠せない。 なぜなら、

ヒロに渡したプレゼントがお参りに関する 物だったから…。

「気にしないで!なんかお供えしておいて 欲しい物とかある??」

ヒロは 申し訳なさそうに呟いた

「供えてもらいてぇのあるんだけど、俺の 家にあるんだよな」

「じゃあ美嘉が取りに行くよ!!」 答えは即答だ。

お参りに行く 12 時まで まだかなり時間があるから全然大丈夫。

「姉貴に聞けばわかると思うから。ごめん な」

「了解?プレゼントは絶対 12 時に開けてね

?」

強く念を押し、 病院を出た。

病院からヒロの家まで意外と近かったりす る。

まぁ、 近いからこの病院なのかもしれないけど…

ヒロの家の前に着いた。部屋の電気が光っ ているのがわかる。

ピンポーン

「はいは~い。あ、美嘉ちゃん!」 出て来たのは

お姉さんの