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恋空 佚名 4708 字 4个月前

??さんだ。

「あ、なんかヒロにお供えの…」

寒さのせいで言葉がうまく出なかったけれ ど、

??さんは気付いてくれたみたいだ。

「あぁ、あれね!とりあえず入りなよ!」

「おじゃましま~す…」 コートと靴についた雪をはらい、

家の中に入る。

懐かしいな。

最後にここに来たのは、ヒロと別れる前日 だったなぁ。

寒い場所から突然暖かい空間に変わったの で、

シモヤケで体が痒い。

??さん案内され ヒロの部屋に入った。

「どうぞどうぞ」

あの頃と 全く変わらない部屋。

この部屋にもう一度来たいと 何度夢見ただろう…。

ベッドに腰を下ろし冷えた手に息をかけて 温めていると、

??さんは部屋の隅から大きなダンボールを 取り出してきた。

「あいつが言ってたのは多分これのことか な!」

「…何ですか??これ」

「開けてみな!」

ダンボールを開けようと手を伸ばす。

しかし凍えた手のせいでダンボールが横に 倒れてしまい

中身が出て来てしまった

ダンボールの中に入っていたのは 大量の赤いブーツに入ったお菓子と ピンクの手袋。

「これ…」 奥を探っても

出て来るのはお菓子と手袋だけ…。

「あいつ入院したら買いに行けなくなるか もしれないからってまとめ買いしたんだっ て。自分は多分 60 歳くらいまで生きるから って 43 個も買ってんの。笑えるよね!」

「笑えますね…」 全然笑えない。

??さんもきっとそう。

もー、 ヒロはなんでこんなにバカなの??

バカバカバカバカ。 もっと好きになっちゃうじゃん。 バーカ。

涙が出そうなのを 必死で堪えた。

12 時近くになるまでヒロの部屋で??さんと 話していた。

11 時 50 分 手袋とお菓子を一つずつ持ち、

公園へ向かい始める。

ヒロの部屋から持って来た手袋とお菓子を ポケットに入れる。

今年は そんなに寒くない。

昨日雨が少し降ったみたいで 地面がビチョビチョしている。

はねないように そーっと歩かなきゃ。

公園の前に着いてポケットから携帯電話を 取り出し時間を確認すると、

もう 12 時 15 分だ。

今頃ヒロはプレゼントを開けて 困惑していることだろう

携帯電話を手に持ったまま、 テレビ電話を掛けた。

そう、

掛けた番号は今日美嘉が街で契約した携帯 電話の番号だ。

?プルルルル?

『ガチャ、ピッピッ』

ヒロは着信音に気付き電話には出たもの の、

焦っていろんなボタンを押してしまってい る様子。

『もしも~しヒロ??』

『ピッピッ』 相変わらず

ボタンを押している。

『ヒ~ロ~君??』

『…あれ?もしもし』

『ヒロ~メリークリスマス?』

『…美嘉か?なんでプレゼントに携帯…』

ヒロはテレビ電話だと言うことに気付いて いないみたいで、 耳に受話器をあてたままて話している。

おかげで美嘉から見える画面は真っ暗だ。

『ヒロ~携帯の画面見て!!』

『え?何?』

『だ~か~ら~、携帯の画面見てよ!!』 ヒロがゆっくりと耳から受話器を離すと、

美嘉の携帯の画面にはヒロの姿が映った。

しかしヒロは再び受話器を耳にあてながら 話し始める。

『なんだよ、なんで顔が映ってんだ!?』 焦るヒロをよそに

冷静に答える美嘉。

『テレビ電話だから受話器耳から離しても 聞こえるよ!!病院内は携帯電話使用禁止だ けど、今日だけは許してもらおう!!』

ヒロはやっとテレビ電話のしくみを理解し たみたいで、 画面には再びヒロの姿が映った。

『俺~状況が理解できねぇ~』 かなり混乱している。

落ち着いて説明しなきゃ

『だからね、ヒロお参り来れないからテレ ビ電話すれば画面も見えるでしょ??わか る?』

〈説明〉

ヒロは外泊出来なくてお参りに来れないか ら、

せめてテレビ電話で生中継すればヒロもお 参りした気分になれるかなーなんて考えた りして…。

ヒロの携帯はテレビ電話の機能がついてな

いからその機能がついてる機種を契約した わけ!!

つまりヒロが画面ごしにお参り出来るって 言うのが

美嘉からのプレゼント。

無言を続けるヒロ。

多分まだ状況を理解していないんだと悟 り、

説明より行動をすることにした。

『ヒロ、ここがどこだかわかる??』 カメラで公園を映す。

『あ…公園か?』

『当たり!!美嘉は今からお参りするから、 ヒロも画面見て公園に来てるつもりになっ てね!!』

カメラを向けたまま花壇に近づき、

そこにヒロの家から持って来たお菓子とピ ンクの手袋を…

そしてみかんキャラメルを買った時に一緒 に買った小さい花を供えた。

それにカメラを向ける。

『ヒロ、お供えしたの見える??』

『…おぅ』

『じゃあ一緒にお参りしよう??』 一旦携帯を雪の上に置き手を合わせた。 携帯の向こうでもヒ

ロが手を叩いている音が聞こえる。

離れていても 一緒に公園に来てるみたいだ。

ヒロへのプレゼントのつもりが、 自分へのプレゼントになっている…。

『ヒロ、終わった??』 また受話器を耳にあてているのか、

それともわざとなのかはわからないが画面 は真っ暗だ。

『終わった。マジ最高のプレゼントだわ。 ありがとな』

ヒロの声は微かに震えているように聞こえ た。

電話を切り、 一人で満足げな笑みを浮かべた。

この公園には、 いろんな想いがあるよ。

でも今は過去より 未来を見るんだ。

外灯に当たりキラキラと煌めく結晶に目を 奪われながら、

家路に着いた。

ヒロがまとめ買いした手袋とブーツ

60 歳になるまでずっと一緒にお供えしよう ね。

今の二人には 怖いものなんてない。

「好きだよ」とか

「愛してる」なんて言葉を交わさなくても わかるの。

いるんだ。

あとは目の前に立つ

“癌”と言う名の大きな壁。 頑張って乗り越えていこうね。

ヒロは元々持っていた携帯を解約し、

美嘉がプレゼントした黒い携帯を自分の名 義に変更して使っている。

テレビ電話にハマってしまったみたいで、 時々かかって来たりもするんだ。

そして年は明けて…

2005 年。

「今年も平凡な一年でありますように。そ してヒロが早く退院できますように。それ から~…」

おさい銭をたった 10 円しか入れてないの によくばりなお願いをたくさんした後、 お守りを三つ買った。

ヒロのぶんと家族のぶんと美嘉のぶん。

ヒロが美嘉を必要としてくれてる。

美嘉もヒロを必要としてることも伝わって

第二十二章 弱音

一月中旬

まだ雪も溶けない。 いや、

むしろ1番雪が多い月かもしれない。

この時期は一生に一回の大イベント…って ほどでもないけど、 一生に一回は必ず参加できる行事がある。

成人式だ。 まだ外が明るくなる前に起こされ、

会館みたいな場所で着付けと髪のセットと メイクをしてもらった。

着付けの予約がもういっぱいで、 朝しか時間がとれなかったんだって。

着物って初めて着たけど胸が締め付けられ て息苦しい…。

浴衣とそんなに変わらないと思ってたけ ど、

全然違うものなんだ。

この日のためにとお母さんが奮発して買っ てくれた紺色の着物を着て

ちょっと和風な女の子を演じてみた。

式は昼過ぎからなので、とりあえずお父さ んが運転する車でおじいちゃんとおばあち ゃんの家まで連れて行ってもらい、 着物姿のお披露目会。

式の時間が近くなると、そのまま近くの駅 に降ろしてもらった。

駅で中学校からの親友である???と待ち合 わせしているのだ。

改札口の前にピンク色のかわいい着物を着 た???を見つけ、

慣れない下駄を履いていたので転ばないよ う注意しながら走った。

「やっほぉ!!??久しぶりぃ~??」

「美嘉久しぶり~…ってか遅刻!」

「ごめ~ん!!」

「ま、慣れてるからいいけど~!」

地下鉄に乗り、 式の会場であるホテルへと向かう。

????や?????達は離れた場所に住んでるか ら、

式の会場は違う場所。

ホテルには着物やスーツを着たたくさんの 人がいて、

中学校が一緒だった人やなんとなく見たこ とある人がたくさんいる。

みんな同じ年齢なんだ…と当たり前のこと に関心していると式が始まった

式と言ってもかしこまった式ではなくただ の挨拶がある程度で、

美嘉と???は式を途中で抜け出し外に出て 中学時代のことなど懐かしい話をしてい た。

みんながぞろぞろと帰り始めた頃、

美嘉は???に別れを告げてそそくさと病院 へ向かった。

ヒロ美嘉の着物姿見てなんて言うかな~!! かわいいって言ってくれるかなぁ??

持っていたポーチの中から手鏡を取り出 し、

軽くメイクを直し階段を上っていざ病室 へ…

トントン 今日はちゃんとノックする。

だってこの前ノックしないで入ったら ヒロのお母さんがいたんだもん。

「どうぞ~。」 病室から返事が聞こえたので、

ドアを開く。

…ん?でも今の声ヒロではないような…。 ま、いーか。

「失礼しま~す?」

「おぅ美嘉」

「成人おめでとさん?」

ハモるように同時に重なった二人の男の 声。

「????じゃん!!」 病室にいたのは????だ。ヒロも????もスー

ツを着ている。 きっと????もお見舞いに来たのだろう。

「美嘉久しぶりだな!」

????とは去年のクリスマスに公園で会った 以来だ

「うん!!????久しぶり~??」

????に挨拶しながらも、初めて見るヒロの スーツ姿に胸がときめいている

だってスーツ超似合うんだもん!!

「ほらヒロ~美嘉の着物姿見てどうよ?」 ????が冷やかしたように言うと、

ヒロは二回ほど咳ばらいして美嘉を手招き した。

それに従いベッドに近寄ると、

ヒロは美嘉の手を握りその手を天井に向か ってあげた。

「????手出すなよ!」 そして美嘉の手をぐいっと引き、

耳元で囁いた。

「マジで似合ってる」

「ヒロもかっこいい?」 美嘉も囁き返す。

「うるせー」 ヒロは照れくさそうに微笑んだ。

「あ~あ仲良しですこと~~?」

口を曲げてイヤミを言う????。

美嘉は自慢げな顔をしながら舌をペロ